クレジットカードでキャッシングを付帯するかどうかは悩みどころだが、金利や審査を重視するなら不要だ。金利を優先するなら銀行カードローンの方がお得であり、クレジットカード審査については合格しやすいのは常識でもある。
目次
1. 基本的に不要
シンプルなアドバイスをすると、クレジットカードのキャッシングは「万が一に備えて借入手段を持っておきたい!」と思う方にはオススメだが、そうでない場合は基本的に不要である。
クレジットカードへ申し込む際に決断を余儀なくされるが、キャッシングは後からでも付帯できる。その為、明確に必要性を感じない限りは外しておけばいい。
2. 審査に合格しやすいメリットがある
キャッシングを外すと、クレジットカード審査に合格しやすくなる。
根本的にクレジットカードを持つためには審査合格が必須なので、無理にキャッシングを希望して審査に落ちると意味がない。
また、使うかどうかも分からないのにキャッシング枠を持つと、今後にクレジットカードやカードローン等の審査を受ける時に多少不利になることが考えられる。
クレジットカードにキャッシングを付帯させると、その契約情報が信用機関に記録される。実際にキャッシングを使っているかどうかに関わらず、「契約=いつでも借入可能」という考え方から審査で不利になる可能性があるわけだ。
年収余力を利用枠に割くという意味でも、使わないキャッシングに余力を割くのは勿体ない。それなら、メインとなるショッピング枠に返済能力を全力でぶつける方が増額を含めて有意義でもある。
3. キャッシングの金利相場
さて、お金を借りたいという目的においてクレジットカードのキャッシングはお得なのか?これは金利次第だ。
キャッシングというのはフリーローンの事であり、自由使途の金融商品はすべてキャッシングだ。
- クレジットカードのキャッシング:15%~18%
- 銀行カードローン&キャッシング:15%~18%
- 消費者金融キャッシング&カードローン:18%
- 労働金庫:8%~10%
- 信用金庫:15%
- 信販会社:15%~18%
金融機関においては殆どの会社にキャッシングが用意されており、数ある金融商品の中でも身近なローンの1種である。
キャッシングは使途が自由な反面として、住宅ローンや教育ローンなど他に比べると金利相場が高い。その延長として、長期返済をすると手数料が高く付く為、金融会社にとっては美味しい収入源なことから積極的に販促されている現状がある。
世間で「リボ払いが危険」と騒がれるほど、金融会社は相応して大きな利益を得ていると言える。
上記で紹介した金利は上限金利の相場だが、労働金庫と信用金庫だけは申込資格が厳しいだけに上限が低い傾向がある。殆どの会社は18%を上限としているところが多いが、この18%という数字は10万円以上の融資における「利息制限法の上限」でもある。
3-1. 必ず上限金利を見ること
クレジットカードもそうだが、キャッシングの金利は「5%~18%」というように実質年率で下限~上限までが必ず明記されている。
下限はその会社において最も低い金利だが、その金利が採用されるケースは最大極度額を借りた場合だけである。最大極度額とは、「500万円まで融資可能」という会社なら500万円が該当する。要はその会社が融資できる最大の金額のことだ。
クレジットカードのキャッシングでは、そもそも下限が15%前後になっていることが多い。ゴールドやプラチナなど上位カードにおいても、銀行カードローンなどに比べると下限金利が高い傾向がある。
3-2. 上限金利を見ておけば失敗しない
下限金利を見ても意味がない理由は審査にある。
クレジットカードもそうだが、キャッシングの限度額は審査で決定される。また、キャッシングの金利も同様だ。
下限金利を見たところで、結局は審査結果が出なければ自分に採用される金利は分からない。その為、無難に上限金利を見ておく方が申し込みの段階から返済時の手数料を明確に把握できるというわけだ。
ちなみにキャッシングの金利は限度額で決まるようになっている。
利息制限法では
- 10万円未満は20%が上限
- 10万円以上~100万円未満の限度額は18%が上限
- 100万円以上は15%が上限
となっている。
少し話が逸れるが「未満=その数字を含めない」・「以上=その数字を含む」ので覚えておこう。
各社の金利は上記の利息制限法を元に自由設定であり、20万円や30万円など各限度額においていくらの利率を採用しているのか公表の有無は様々だ。
みずほ銀行カードローンの場合だと、10万円~800万円まで100万円単位で採用利率がすべて公表されているので分かりやすい。
3-3. 楽天カードは18%
引用元:楽天カード
ポイント還元率の高さとポイント加盟店の多さから、楽天カードは圧倒的な人気を誇っている。そんな楽天カードのキャッシングスペックは以下のとおり。
- 限度額:1万円~90万円
- 金利:一律で18%・増額で100万円越えは一律で15%
- 遅延損害金:20%
金利は一律で18%となっているので、超少額を借りる場合は他のキャッシングと変わらない。しかし、50万円など高額を借りる場合は圧倒的に不利となる。
住信SBIネット銀行Mrカードローンだと、プレミアムコースで上限が7.99%、スタンダードコースで上限が14.79%だ。
楽天銀行スーパーローンだと、上限が14.5%。2017年10月31日までのキャンペーンだと、上限が7.25%で楽天スーパーポイントが31,000ポイント貰える特典まで付いてくる。
みずほ銀行カードローンだと、上限が14.0%。住宅ローンと併用すると、各限度額において0.5%が優遇される特典がある。
上記の3つは銀行カードローンでもトップクラスの低金利だが、クレジットカードのキャッシングに比べると約4%ほど金利が安い。
1万円の融資を18%なら1ヶ月で約150円の手数料、同額を14%なら約120円の手数料だ。高額になるほどその差が大きくなる。
4. 少額なら検討の余地がある
キャッシングはいくらを借りるにしても低金利であるほどメリットが高い。しかし、1万円など超少額においては金利が18%と高い水準でも元金が低いことから手数料は安く済む。
結論として、クレジットカードのキャッシングは金利が18%なら少額の場合に検討の余地がある。15%あたりを上限とするカードの場合、これは銀行カードローンと同レベルなので検討の余地がある。
上限が18%のクレカキャッシングで高額を借りようとするなら、これは上限が15%近辺に設定されている銀行カードローンを選ぶ方が遥かにお得だ。
さらに欲を言うなら、労働金庫や信用金庫はそもそも上限金利の相場がかなり低いのでチェックしておくのが望ましい。
多くの人は消費者金融でお金を借りるのは手数料が高いというイメージがあると思うが、消費者金融の金利は18%が主流だ。また、クレジットカードのキャッシングも殆どのカードが18%なので、クレジットカードのキャッシングは手数料が高いという認識を持つ方が良い。
4-1. 銀行は審査が甘い
銀行は上限金利が低い反面として審査が厳しいと言われるが、そんな時代はすでに終焉している。
キャッシング黄金期は平成に突入する以前の昭和の時代だった。バブル期という言葉を聞いたことがあると思うが、バブル期からバブル崩壊後までがキャッシング黄金期だ。
当時は貸金業法に問題があり、グレーゾーン金利として法の抜け目を突いて上限40%など超金利で貸し付けるのが当たり前の時代だった。これによって多重債務者が続出して社会問題となり、闇金も横行したことから自殺者も多かったと言われている。
上記は日本の金融の歴史でも「多重債務・第一期」として永遠に歴史に残るが、現代の2017年は銀行の貸付が「多重債務・第二期」として懸念され始めている。
銀行は総量規制が適用されないので、年収の3分の1という縛りがない。多くの銀行は年収の2分の1を目安に融資しており、さらに上限金利が低いところが多いのでユーザーからは大人気な借り先だ。
こうした現状から多重債務者が膨れ上がることが懸念され、金融庁も無視できない事態となっている。新聞等でも金融庁の見解が度々ピックアップされているが、今後に新たな規制が入る可能性もある。
根本的に審査が厳しいと多重債務者は増えないわけであり、どうしても低金利でお金を借りたい方にとっては今の状況はラッキーだろう。しかし、借金苦にならないように返済計画をしっかりと立て、多重債務者の仲間入りだけは避けて欲しいと思う。
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