電子マネーと仮想通貨は根本的に存在に違いがあるため、どちらも街中で「現金=法定通貨」の代わりとして使うことができるものの、価値や使い方などの違いを明確にして区別して覚えておこう。
1. 電子マネーと仮想通貨の違い
電子マネーと仮想通貨の違いが分かりにくい理由は、仮想通貨の名称が「仮想通貨」となっているからだ。
電子マネーは名称のとおり「電子を通して使えるマネー」であり、一般的にも通学や通勤で使っている方が多いだろう。
仮想通貨は電子マネーと同じように一部の街中で一部の通貨だけ使うことができる現状だが、これは法定通貨や電子マネーとの違いを考慮して「価値の高いコイン」と覚えてしまう方が理解しやすいと思う。
かなり屁理屈な考え方だが、仮想通貨は「仮想世界における通貨」のすべてを表現できるため、ここが非常にややこしい。
例えば、ゲームの世界は仮想世界であり、その世界におけるお金は仮想通貨と表現できる。
1-1. 主な種類
電子マネーは以下のようなものがある。
- 楽天Edy
- nanaco
- WAON
- iD
- 交通系IC(Suicaなど)
仮想通貨は以下のようなものがある。
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
基本的に仮想通貨の種類は「ビットコイン」と「それ以外」に大別され、それ以外の通貨をアルトコインと呼ぶ。このアルトコインはマイナー通貨を合わせると何千種類があると言われているが、国内取引所だけに話を絞れば約20種ほどしか目にすることがない。
仮想通貨の国内取引所はコインチェックが人気だが、その理由の1つにアルトコインの豊富さがある。他社に比べてアルトコインの対応種が多く、ビットコインを合わせて13種がある。
海外取引所は多くのアルトコインを取り扱っているところが多く、アフィリエイトでも見かけることが多い中国の「Binance(バイナンス)」は、私が数えた限りで約100種ほどあった。
1-2. 入手方法
電子マネーの入手方法は主にチャージだ。QuicPayのように後払いタイプがあれば、クレジットカードのように利用枠からのチャージタイプもある。
- 街中の機器でチャージ
- クレジットカードでチャージ
- WEBでチャージ
- ポイントからチャージ
仮想通貨の入手方法は、「取引所」でFXのようにトレードして入手するか、「販売所」で指定レートから購入する。
- 取引所:トレード板からトレードして入手
- 販売所:指定レートで希望数量を購入して入手
- クレジットカードで購入:入金して購入するプロセスをカードにするだけ
- 誰かにもらう:口座に送金してもらい入手
取引所は、日本円を入金してレートに沿って売買するため、株式やFXと仕組みは同じだ。取引所によって「現物取引」や「証拠金取引」など取引種の対応が異なり、今のところは現物が主流な世界となっている。
販売所は、日本円を入金して指定レートで希望した数量を購入することができる。仮想通貨の取引所というのは、「取引所」が存在せずに「販売所」だけのところもあるため、取引所や販売所の言葉の使い方も統一感がない印象が強い。
1-3. 価値
電子マネーをチャージする場合、それは当然ながら現金と等価値となる。電子マネーの利用で貯まったポイントの価値は、その使い方によっても異なるケースがあるが以下のとおりだ。
- 楽天Edy:1PT=1円
- nanaco:1PT=1円
- WAON:1PT=1円
- iD:1PT=1円
- 交通系IC(Suicaなど):1PT=1円
仮想通貨の価値は、今の時点で以下となる。
- ビットコイン(BTC):1BTC=1079757円
- ビットコインキャッシュ(BCC):1BCC=156034円
- イーサリアム(ETH):1ETH=98597円
- リップル(XRP):1XRP=115円
- ネム(XEM):1XEM=60946円
仮想通貨は投資家によって常にトレードされるため、その価値が変動することが電子マネーとの大きな違いだ。取引所によって売買の最小単位が異なるが、ビットコインの場合だと「0.001BTC」や「0.0001BTC」としているところが多い。
つまり、「1BTC=1079757円」なわけだが、「0.1BTC=1079757.7円」、「0.01BTC=10797.57円」というように単位によって価値が異なる。
実際にお店で仮想通貨を使う時も、自分が所持している保有量から日本円換算して使うことになるため、もし仮想通貨を使いたいなら「入手方法」や「価値の変動」といった点は網羅しておこう。
1-4. 使い方
電子マネーの使い方は、各種電子マネーのカードを作ってチャージすることが前提だ。あとは、デビットカードやクレジットカードと同様に各種電子マネーに対応しているお店で使うことができる。
- カードを作る
- チャージする
- 使えるお店を探す
- チャージされた金額の範囲で支払いができる
仮想通貨の使い方は、保有している仮想通貨を出し入れするためのウォレットが必須だ。これは取引所で用意されているし、アプリとして使うことができる。
- 取引所で口座開設
- 仮想通貨を入手する
- ウォレットをスマホにインストールする
- 入手した通貨をウォレットへ送金
- 保有している通貨に対応しているお店を探す
- ウォレットの残高の範囲内で支払いができる
現状、仮想通貨で支払いができるお店は極端に少なく、有名なのはビッグカメラだ。ビッグカメラではビットコインで支払うことができるが、基本的に「bitFlyerで口座開設」+「bitFlyerのウォレット」が必要となる。
ちなみにLINEショップの支払方法にある「ビットキャッシュ」は仮想通貨ではなく、「電子マネー」や「額面型のプリペイドカード」といった分類である。(iTunesカードと同じ)
2. 電子マネーと仮想通貨は相互移行はできない
電子マネーはものによって他種のポイントへ移行することができるが、仮想通貨への移行は今の時点では不可だ。
また、保有している仮想通貨を電子マネーに移行することも不可であり、仮想通貨の相手は「仮想通貨」or「法定通貨」だけである。
この2つは完全に別世界に存在しているものなので、区別して覚えておこう。
まとめ
電子マネーと仮想通貨の違いは「投資」をベースに捉えると分かりやすい。
仮想通貨は投資商品の1種であり、それに加えてビットコインなど一部の通貨が決済手段として街中に導入されているだけである。
身近な投資商品に例えるなら「株投資で保有した株を使って決済できる」といった感じなので、根本的に販売所で仮想通貨を購入する場合も価値が下がるリスクを考慮しておくことが大切だ。
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